IV号戦車の前面装甲は初期型で20mm、強化されたF型で50mmに過ぎない。対してティーガーIの車体前面装甲は100mm、鋳造製の砲塔前面は120mm、側面と後面装甲の厚さも80mm、上面と底部の装甲の厚さは25mmである。後に砲塔の天蓋の装甲は40mmに強化された。装甲板はほぼ平板、砲塔側面は曲げ加工したものを連結して作られていた。装甲の接合はリベットではなく、同時期の他のドイツ戦車同様の溶接による高品質のものであったが、基本フレーム無しで装甲板同士を直接嵌合溶接して組む構成であった。
車体は重すぎて大半の橋梁の荷重制限を超えており、その為4mの深さまで水中を走行できる仕様が必要となり、水中での換気と冷却のため特殊な機構が必要になった。水中走行の準備には30分かかり、砲塔と主砲は正面真直ぐの位置に固定しなければならず、開口部に防水カバーや栓を、後面には大きなシュノーケルが取り付けられた。ただしこの機構は極初期型のみの装備で、大半の生産型では廃止されていた。
戦車の後部にはエンジンルームがあり、その両側のスペースには燃料タンクとラジエターとファンがあった。ガソリンエンジンは排気量21リットルのV12型エンジンのマイバッハHL210P45で、最高出力は650馬力だった。よいエンジンだったがこの巨体には充分ではなかった。250輌目のティーガーIから改良型で最高出力700馬力のHL230P45に換装された。エンジンは60度V12であった。エンジンの右側に後面の板に空けられた穴を通してチェーンで駆動する非力なスターターがあった。エンジンは上面の板のハッチから吊り上げることができた。
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